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宮沢賢治の地平を歩く 全1巻
清六さんの言葉に心打たれ、賢治の故郷の風にこころを洗われた著者、渾身の一冊。イーハトーブの地平に咲く言葉たちよ・・・。
著者 | 太田 昌孝(名古屋短期大学教授) 著 |
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ジャンル | 日本文学 |
シリーズ | エコーする〈知〉CPCリブレシリーズ |
出版年月日 | 2024/04/30 |
ISBN | 9784910672175 |
判型・ページ数 | A5・250ページ |
定価 | 2,200円(税込) |
『春と修羅』刊行から100年、賢治文学の神髄に迫る。30年の間に試みた花巻でのフィールドワークと宮沢清六(賢治の弟)さんへの聞き取りを基礎にしたもの。なめとこ山の熊論、セロ弾きゴーシュ論、宮沢賢治の挑戦、資料「宮沢賢治研究Ⅰ」などから構成、「法華経」をキーワードに賢治作品の核心に触れる渾身の一冊。
【著者からのメッセージ 自著を語る】
「賢治ブームが始まった頃、私は大学院生として『超現実主義詩論』(西脇順三郎)に取り組んでいました。そんな私が賢治に惹かれたのは「法華経」をキーワードにして彼の作品を読み直すようになってからです。あれから30年、思えば長い月日です。本著は30年の間に試みた花巻でのフィールドワークと宮沢清六さんへの聞き取りを基礎にしたものです。清六さんから頂いた、「兄の研究は法華経なしでは成立しません。」という言葉は、今でも賢治研究の羅針盤になっています。法華経の「広宣流布」の大目標に向かって、明治、大正、昭和を風のように駆け抜けた宮沢賢治。死して90年を経た今でも、その作品は謎に満ちています。彼の遺した【エニグマ】にこの先何人の人が苦悩し、歓喜するのか楽しみです」
第1章 宮沢賢治の地平を歩く―様々な実践を通して―
1 賢治文学の魅力―常葉橘高校での実践を踏まえて―
2 「雲の信號」と「稲作挿話」
3 「告別」にこめた賢治の決意―修文大学での講義を含めて―
4 宮沢清六氏との出会い―宮沢家の居間にて―
5 現代に生きる賢治作品―愛知県立芸術大学生たちの試み―
第2章 『なめとこ山の熊』論―物語世界からの救済―
はじめに
1 『なめとこ山の熊』から読み取れる現実のヒエラルキー
2 弱肉強食の摂理
第3章 『セロ弾きのゴーシュ』論―「開示悟入」をキーワードに―
1 ゴーシュの背景
2 法華経の存在
3 動物たちの役割と背景
4 法華文学の創作の理想を求めて
第4章 宮沢賢治の挑戦―超現実の陰影を求めて―
1 超現実の仕組みと賢治作品
2 ユーモアと超現実
3 『銀河鉄道の夜』解題Ⅰ―賢治と超現実―
4 『銀河鉄道の夜』解題Ⅱ―鳥を捕る男―
5 エクリチュールの行方
資料 (論文 宮沢賢治研究1―大正4年から大正10年に至る賢治の信仰心の変遷を中心に―
A Study of Kenji-Miyazawa No.1)
おわりに
宮沢賢治略年譜